MIXのキモ!しっかりとしたラフの作り方♪♪
おはこんばんにちは。
まことです。
前回の音記事で、
スピーカーとヘッドホンを再生環境に合わせて使い分ける事をオススメいたしましたが…
スピーカーとヘッドホン、それぞれの強みを活かしてMIXしよう♪♪ - 緑色の髪の…(以下略)
↑前回の音記事
ですが…
普段からヘッドホンでMIXしてる方も、スピーカーとヘッドホンを併用してMIXしている方も、MIXに苦労されている方は多いと思います。
特にボリュームバランスが決めきれないと、最終的なバランスや音作りを決定させるのに時間がかかってしまいますよね?
ボリュームバランスが決めきれず、MIX中に音量や音質を上げ下げするのはなるべく避けたいものです。
可能であれば、バランスは語っと決めてから好みの音色を作り込み、周囲を微調整しながら進めて行くと所謂「MIX沼」にハマることを回避できます。
ということで!
今回は、わたしが普段MIXの前に行なっているラフ(ボリュームバランスの仮決め)のフローを公開しようと思います!!
基本的なことしかやっていないので、新鮮味に欠ける内容だったら申し訳ありません…笑
☆ラフの作り方
いきなり俯瞰でMIXを始めるのは難しいものです…
センスの塊のような天才ミキサーさんには俯瞰でMIXを開始する方もいらっしゃるのですが、わたしにはそんなセンスありませんので、まずはラフ(ボリュームバランスの仮決め)を整えるようにしています。
ラフ制作の順番はMIXする音楽のジャンルによって違ってきますが、今回はオーソドックスなバンド曲を仮定してお話をしていきます。
これはバンド曲用というわけではなく、コンテンポラリーなら同じようなフローでバランスととることができるので、わたしの屋台骨になってるフローです♪♪
1.キック
ラフ作業はメーターを見ながら行います。
わたしの場合は、マスタートラック(ピーク)の「-6.0dB付近」にキックの音量を合わせます。
この時にキックの音量やアタックが不揃いな場合は、仮のコンプを挿してあげて、ある程度ダイナミクス差を埋めてあげるとやりやすいです♪♪
あまりに下手だと、イケてるキックと入れ替えたりしないといけませんが…
2.ベース
ベースの音量は、ジャンルによってキックとのパワーバランスが違いますが…
ベーシックに設定するのであれば、「ベースのピークがキックのピークをやや持ち上げるくらい」の音量にしてあげるといいと思います。
-5.0〜-4.0の間くらいにピークの頭が収まるくらいのイメージです。
こちらも、ベースの音量とアタックが不揃いなら仮のコンプを挿してあげましょう!
キックとベースが決まったら…
3.スネア
スネアの存在感にもそれぞれ好みがありますが、ラフの場合はキックとベースのピークを押し上げないレベルに抑えておくのがおススメです!
わたしはスネアが大きい方が好きなんですが…
大きめのスネアでラフを作りたいときは、ボリュームではなくコンプで音圧を稼いであげるようにしましょう。
ダイナミクス差を埋めることも目的の1つですが…わたしの場合、大きめのスネアでラフを作りたいときは、仮のコンプでスネアはしっかり叩いてあげるように心がけています!!
スネアが決まったらギターを適当に出してあげます。
これは好みです!!
突っ込みすぎなければ、ラフで大きめに作るのもアリだと思います♪♪
4.ヴォーカル
低域やアタック楽器の次に大切なのがヴォーカルのボリューム感です。
最初にヴォーカルが埋もれるようなバランスを作ってしまうと、その後のMIXがしづらくなるので、曲の主要パート(バンド曲ならドラム・ベース・ギター)のバランスが取れた後、それらよりはっきりと聞こえるレベルに設定しましょう。
マスタートラックの-3.0〜-1.0くらいにボーカルのピークが揃うくらいが理想的です!!
そして、ヴォーカルにも仮のコンプを挿してあげましょう。
「最終的にガッツリ叩くことになる音はラフの時点である程度叩いておく」
これがミソです(>_<)
4.その他
ここまでバランスが取れれば、あとは適当に音を足していけばラフは完成します!
その他ドラム類・ギター・鍵盤・シンセ・FXなど、適当なバランスで足していってあげれば良いのですが、「あくまでもラフ作り」というのを忘れないように気をつけましょう!
この段階で頭の中がMIXに切り替わっちゃうミキサーさんが多いかと思うんですが、全ての音が出揃ってラフが完成するってイメージを持つと沼にはまり難くなります。
ピークランプがついても気にせず、曲の完成形をしっかりイメージしながら音を足して行きましょう!
ピラミッド型をかるーく意識しながら音を足していくのも重要です。
エフェクト処理や音色作りなど、色を足すのはラフが終わって、曲の輪郭が出来上がってから行いましょうね♪♪
5.その後のおおまかな流れ
1〜4の工程でラフ(下絵)は完成です!
わたしはMIXを絵を描くようにイメージしながら行うように心がけているんですが…
・ラフ(ボリュームバランスの仮決め)
・線画(4点の作り込み&音作り)
・着彩(その他の楽器を含めた全体の音作り)
・ディテール調整(最終MIX調整)
といった具合に順序立てて音をブラッシュアップしていきます。
ラフの次には4点(ドラム・ベース・ヴォーカル・ギター)を作り込んでいく工程に移りますが、ラフと同じ順序で…ラフで作ったボリュームバランスを崩さないように作業しましょう!
曲の完成形(ビジョン)を持ちながらラフを作れるとなお良いですが、あやふやな状態でMIXに入ってしまったという自覚がある場合は、こういったフローを着実に踏んで、曲がどこに行きたいのかを聞いてあげながらMIXすると良いと思います。
また、このフローを取り入れることで、しっかりとした屋台骨の上で自由自在に飛び跳ねることができます!
基礎ができていない状態で、上に物を積んでいっても歪になってしまいますし…
仮に崩れてしまったらもう一度始めからやり直しです…泣
MIX沼にハマるのは「曲の完成形が見えていない」もしくは「音の基礎部分が定まっていない」といったパターンが多いと思いますので、ラフ制作を意識的に行なって足場を固めてからMIXしましょうね♪♪
☆ラフを作る上で大切にしたいこと
長々とラフを作るためのフローやその重要性について語ってきましたが…
「個別の音の作り込み」・「各楽器のボリューム感の調整」というのではなく「下絵」というイメージを忘れずに持ってください。
フローに沿って1つずつ音を決めていっても、曲の全体像を思い描きながら作業しないとラフを作っている意味が無くなってしまいます。
どんなにカッコいいキャラの顔が書けても、ボディや衣装や背景がないと、歪な絵をなってしまいますよね?
行なっている作業自体は個々の音のバランス調整なので、どうしても「木を見て森を見ず」状態になってしまいがちですが、絵の完成形を意識しながら下絵を書いているって感覚を持ち続けられれば、きっと上手にできると思います♪♪
そういえば…
記事の冒頭に、「センスの塊のような天才ミキサーは俯瞰でMIXを始める」って話をしましたが、それは天才画家が下絵もなしに絵を描き始めるのに似ていると感じるんです…
凡人には下絵もないし絵を描き始めるのは無理です…
でも、下絵をしっかり描き続けることで、しっかりとした線が描けるようになり、それが積み重なって上達していくと思います。
MIXも同じで、基礎(MIX作業の基礎ではなく、曲の基礎部分)を大切にしながらMIXし続けることで、明確なビジョンを持ちながら作業ができるようになってくるんです!!
わたしも、いまはまだ下絵から絵を描くので精一杯ですが…
経験を積んで、いつかは真っ白のキャンバスに、一筆目から自分の色を入れられるようになりたいです!!!
では、また。